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2007年10月29日

川魚 1999

 小さいころ、よく近くの川に魚を捕まえに行っていた。捕り方は、大きな石の下に手をつっこみ奥に隠れている魚を握りしめるというきわめて原始的な方法だった。当時は、手ごろな池が家にあったので、川魚もほったらかしで飼うことができた。だから、僕の家の池にはいつでも川魚がいた。
 村の子供たちは、テッチン、フナ、モロコ、ドジョウ、ナマズ、ウナギの六種類ぐらいしか川魚を区別せず、細長く大きな魚はみんなモロコの一言で済ませた。
 三十年たって、息子がその頃の僕の年齢になった。その川へいっしょに行ったところ、変わってないのはサワガニだけで、石の下に手をつっこんでも魚は捕れなくなっていた。
 おもしろくないので、滝つぼに小枝をほうりこんだ。すごい音がしてそれが水の中に消えた。しめた。何かがいる。ためしにビスコを投げてみると食うわ食うわ。がぼっと銀の腹を見せて魚がえさを持っていく。
 次の休みは、六時に息子をたたき起こして滝つぼへ行った。釣りざおにえさはご飯つぶ。釣りをする人はだれもいないのだろう。三時間で二十数匹、明らかに入れ食いだ。十五センチから二十センチの大物がほとんど。息子は二匹しか釣れなかったけれど楽しそうだ。川をせき止めて水たまりを作り、そこに入れておいた。いつの間にかジャンプして逃げだしたものもいる。最後には七匹しか残っていなかった。
 息子とその魚を食うか食わないか相談した。息子は「食べる。」と答えたので、三匹だけ持って帰った。ビニル袋にたっぷりの水と魚を入れて、バイクで二十分走ると家に着いた。
 娘も魚を見て大喜びだ。「じいさんに見せるんだ。」と言って二人は手づかみの魚を持って走って行った。僕は、「料理しといてくれな。」とだけ妻に伝えて仕事に出かけた。職場から帰って、「味はどうだった。」と聞いたら、妻は答えなかった。気持ち悪くて捨てたらしい。僕は大きな声でどなった。「食うから殺したんだ。食わないのなら川に逃がしてくる。」返事は「そんなら、あなたが料理しなさい。」
 オイカワだとばかり思っていた川魚は、図鑑で調べると違っていた。水面の落下物に飛びつく習性と横じまからカワムツという名だと分かった。今度は僕が塩焼きか南蛮漬けにでもして食べてようと思う。川魚の中で味が「下」に分類されるらしいが。



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