バイクのおっさんとヘボ釣り

昨夜、一日早く「鬱袋」を売り出した店があると、テレビが報道していた。

「鬱袋」なんて、買ってもろくなことがない。……と思う。

販売店側は、「福袋」なんて素敵な名で売りだすのだが、「在庫処分袋」であることが大半だ。

倉庫の維持費や在庫そのものに掛かってくる税金というような、客にとってあずかり知らぬ深い事情がなければ、誰もが休んでおきたいときに、わざわざ店を開いて、おまけに、売れば売るほど損をする物好きが、日本のどこにいるだろう？

メーカに返品できないから、在庫を置いておくより得するから、発売初期の高い売価のおかげで相殺できるから、知らない客から見たら「破格値」で売れるのだ。

実は、最小限の欲しい物を指名して買った方が、安くすむことが多い。

僕の興味の対象であるPCパーツも、神戸の祖父が「鬱袋」を販売している。この「鬱袋」という言葉を知ったのも、この世界のおかげだ。「福袋　鬱袋」の文字列で検索してみると、同じことを考えている人が、どんなに多いことか……。

もちろん、パーツ・機器の陳腐化が圧倒的に早い業界だからこそ、在庫の回転が重要なのである。新しい商品を仕入れるために、売れ残り商品の在庫を一掃する。それこそが店の生き残る道……。PCパーツの世界で「鬱袋」が流行るのは、さもありなん。

大晦日に、webで、僕が愛用している2GBのUSBディスク（PQI製U230）が429円で投げ売りされているのを見て、そう思った。一昨年、近所のカインズでこのディスクを見たときは2000円台の値段がついていたから、しかたなく1000円台の1GBを買った。昨年春にはじゃんぱらで2GBが1600円に。秋に見かけたときは1000円に限りなく近づいていたので、数個買い足した。ところが、今なら4GBが679円、8GBが1299円で買える。

同じ店で、9999円の一流メーカ製液晶モニタ（ただし15インチ）を見つけたときは、よりそう思った。

はやりすたりが激しい女性向けのファッション系の世界も、おそらく同様。

閑話休題。

新年そうそうの午後は、家内の実家で過ごした。義弟が買ってきたミスドの「1000円鬱袋」に入っていたドーナツとキャラクターグッズが甥っ子に大好評で、まさに「福袋」だった。