ブランドのこと……(2005/10/30)

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2009年05月31日 17:13

日本で、クラウンと言えば、トヨタの高級車を思い出す。ただし、自動車は安くなっているから、今ではちんぴらでもクラウンに乗っている時代。あっ、ちんぴらはセル○オの方が多いんだっけ……すんまそんm(_ _)m。

土地や家屋が圧倒的に高い日本(僕はこれも吊り上げの一種だと思っている)だから、家すら持っていないのに高級車に乗っている輩も多々いる。一点豪華主義なのだろう。

閑話休題

NikonとNikomatやCanonとCanonetの違いはなんだろうか。

そう。クラウンとカローラの違いなのだ。NikonとCanonの名称が許されるのは、旧/日本光学の場合はNikonSシリーズ(距離計連動)とNikonFシリーズ(一眼レフ)だけ。旧/キヤノンカメラ(※現在もCanonはキヤノンでありキャノンではない)の場合は、Canonflexの流れを組む一眼レフと距離計連動カメラだけだった。

NikonやCanonと銘版に刻まれていれば、高価格と高品質の証。信頼性が圧倒的に高いのだから仕事に使えるカメラということになる。

ところが、いくらすばらしいカメラでも誰しも半年分の給料(※)をたかがカメラに突っ込めるわけではない。大多数を占める薄給の一般人をターゲットにしたカメラを企画した。

※父が1960年にNikonFを買ったとき、Fは彼の給料の約3か月分。彼はレンズも当時のフルセット(2.1cm・2.8cm・3.5cm・5cm・5.8cm・5.5cmMicro・10.5cm・13.5cm・13.5cmベローズ専用までは使ったことがあるから確実。すべて初期のcm版)で揃えた。当然のように、FP接点に繋ぐフラッシュから、フード、フィルター、ベローズ、接写リング、とどめに専用複写台(カメラ台にFしか固定できない仕様)まで、ほぼすべての純正品が揃っていた。おまけに、同時期にMamiyaFlexC2のフルセット(ボディ2台・65mm・80mm・105mm・135mm・180mm)も揃えているので、給料2年分以上をカメラに投じていると思う。母の情報によると亡き祖父の遺産を使い尽くしたとか……。今ならクラウンぐらいは買える。

そんな高級機と中級機の差別化のために生まれた名称が、Nikkorex・NikomatやCanonetだった。AsahiPentaxやMinoltaといった中級機メーカの製品と同等のカメラにはNikonやCanonの名称は使わなかったのだ。

ところが、Canonは早い時期に普及品にCanonの銘版を付け始めた。高級品としての名前さえ普及してしまえば、それを利用して安物を売りつけようという戦略である。

これは大当たりした。例えばCanonAE-1。どうしようもないおもちゃカメラだったが、一般には大受けした。困ったNikonは、事実上のNikomatをNikonEL2・NikonFM・NikonFEとして売り出した。しかし時すでに遅し。

ちなみに、僕のNikomatELには、Nikonの銘版が付いている。知らない人が見れば、NikonELだと勘違いしそう。個人による改造ではなく、Nikonが銘版を交換してくれた。Nikonブランドにこだわり続けたにしては、まぬけな話である。

Sonnarという名称がSonnarタイプではないレンズに冠されるのも、おそらくブランド名を利用して消費者の心をくすぐっているだけなのだろう。


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