DPE……(2006/01/07)
DPEとは、「Development Printing Enlargement」の略。
和製英語らしいが、DPE店を名乗っている店でも、本当のことを知らないことが多い。
Development
現像のこと……実は、フィルム現像のこと
Printing
焼き付けのこと……実は、ベタ焼き(なぜベタと呼ばれるのかは作業すれば分かる)のこと
Enlargement
引き伸ばしのこと……手札版相当(現在のL版)に焼かれること多い
だから、理屈上は、撮影済みフィルムを持って行って「現像お願いします」とDPE店に頼んでおけば、ネガができあがるわけだ。
だが、そんなことをしたら喧嘩になる。現像の意味が分かっていない人は、「現像」=「同時プリント」だと思っているからだ。言うまでもなく、感光体の処理工程である「現像」「停止」「定着」の「現像」とは無縁である。
もちろん、フィルム現像と共にベタ焼き処理なんかしたら、結果的に店が損をする。プリントと言っても、それはサービスサイズへの引き伸ばしを指しているからだ。ベタ焼きは、今のインデックスカードの原寸大版にあたる。
結局のところ、Printingにあたる「焼き付け」は、死語化した。
どこの家でも、本家(実家)には先祖の写真が残っているものだが、1960年代初期ぐらいまでの写真は、ベタ焼きが多い。
135フィルム(元は35mm映画フィルムの流用)を使うカメラが普及し、引き伸ばしが当たり前になるまでは、一般家庭では120フィルムが常用され、処理が最も安直なベタ焼きが最終プリント(60mm×60mmか60mm×45mm)として残されることが多かったのだ。稀に手札版以上の写真が残っていれば、十中八九それは写真館の作品。
写真マニアである父だが、父は自写像をほとんど残していないので、彼の若い頃の写真は、このベタ焼きが圧倒的に多い。
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