お化け屋敷の発掘

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2009年01月02日 23:14

実家に帰ったついでに、父の遺した物を少し覗いてきた。

父の書斎の本を久しぶりに見た。書架は壁に作りつけで、部屋の三面。文学は、岩波の日本古典文学大系とか、著名小説家の全集とかが、まともなコレクション。図書館に行くまでもない。夏にここで読書三昧するのもよかろう。

保育社の原色図鑑の全揃いもなつかしい。一般家庭にはまずありえない圧巻は、大漢和辞典かな?

どうでもよさそうな物は、各種辞典類。百科事典が一組しかなかったのは救い。辞書はそれこそ、改版毎に揃っていた。中には同じものもあった……orz。

母や妹が価値を見出せなかった書籍類は、ほとんど廃棄されている。もちろん、廃棄された方が多かった。

食堂に戻り、隣の部屋をごそごそ。押入のふすまをとっぱらった棚のカーテンをめくると、Nikonのレンズの箱が無造作に置かれていた。AFMicroNikkor105mmF2.8と記されている。箱を開けると、なつかしいヒラマツカメラの判子が押された保証書が出てきた。10年ほど前の買い物らしい。

娘が80000円の値札にひっくり返っているから、「この3倍ぐらいの値段のレンズもたくさんあるよ。」と言ったら、「おじいちゃんはなんでそんなにお金持ちなの?」と聞いてきた。

「口座の金がなくなるまで、本屋とヒラマツカメラに貢いだんだよ。」と答えたかったが、だまっておいた。

レンズは、マウントにスレがまったくないことからほぼ未使用で、ユーザとして僕が初めてヘリコイドを動かしたのかもしれなかった。

その横に、なつかしいIzm300の箱があったから開いてみた。僕のカメラ用品が突っ込まれていた。どうやら、震災のどたばた整理と、父の遺品整理のどちらかの時点で、父のカメラと僕のカメラをごちゃまぜにしていたようだ。

どこに行ったのか長いこと不明だったNikonのFTNファインダーがケースごと見つかった。丸35年前に父に買ってもらった物だ。電池ケースの液漏れが心配だったが、ほぼ被害はなかった。ただし、ご本尊のNikonF自体が行方不明。

同じ箱の中から、3年ぐらい前に必要だった、ストロボのスレーブユニットも見つかった。オートで増灯できる便利グッズだ。ただし後の祭。

感慨にふけっていたら、妹が皮のコートやらセーターやら帽子やら、今度は未使用の服飾品をタンスからたくさん出してきた。前回はネクタイを数十本持って帰っているので、もうお腹いっぱい。

息子用に、バーバリーのセーターを持って帰ることにした。娘は革のジャンパーをもらって帰った。どちらも、物は一流品だった。

僕も、なにやかやと押しつけられかけたが、どんなに名の通ったブランドでも、いくらおしゃれでも、ヘビーデューティでない服は身に着けない主義ので、固辞して帰宅した。


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